イラストで見る、簡単スタンダード 

 何年か前にピレニーズの単犬種展の時の出陳記念品に、アメリカの最新のスタンダードの本を頂きました。
昨年、アメリカにいった時にもカレンさんが同じ本をくださり、最近又よく開いて眺めています。
 この本には理想的なピレと、そうでないピレがイラストで大変わかりやすく書いてあります。
最初はあまりよく解らなくても、何度かこういう正しい形を目にする機会を多く持っていると、自然にその形が目に浮かぶようになってきます。
皆様がこれから迎えようとしているピレニーズ、すでに家族として暮らしているピレニーズという犬種とは自分の好みは別として、“本来どうであるべきなのか”は、解っていて欲しいと思い、
今回、JKCのスタンダードブックを基礎に、GPCAのスタンダードブックのイラストと私なりの解説を補充して『イラストで見る簡単スタンダード』としてアップいたしました。
皆様のピレニーズに対する正しい知識と理解を深めるために少しでもお役に立たせていただけると幸いです。
※体長と体高

体高とはキ甲の体高とはキ甲の最高点から地上までの垂直の長さであり
JKCではオスは70〜80cm、GPCAでは27インチ〜32インチ(約68cm〜80cm)

                         
27インチのオスで体重100ポンド(45.3kg〜)
      メスは65〜75cm、GPCAでは25インチ〜29インチ(約63cm〜73cm) 

                         25インチのメスで体重85ポンド(38.5kg〜)
が理想とされています
。JKCでは完全なタイプに限り2cmまで上回るのは許容される。


※沿革
 遥か昔からピレネー山地に棲息し中世には城館の番犬になっていたと14世紀の本には記載されている。17世紀には すでに伴侶犬としてもてはやされ、ルイ14世に飼育されるという光栄に浴している。
  1897年、ド・ビラント伯爵がこの犬種の詳細を記した。その10年後最初のブリードクラブが設立された。
 1923年にはベルナール・セナク・ラグランジュが中心となってS・C・C(フランス中央畜犬協会)に対して、公式スタンダ ードが登録申請された。
  現行のスタンダードはこの1923年のスタンダードに大変近いもので特に正確なデータはそこから得ている。

※一般外観
 巨大で堂々としていて頑丈な体躯であるが優雅さに欠けるものではない。

※重大な比率
 ●スカルの最大幅はその長さに等しい。
 ●マズルはスカルよりわずかに短い
 ●体長は体高よりわずかに長い
 ●胸深は体高の2分の1もしくはそれより僅かに浅い。

※習性・性格
 もっぱら、家畜の群れを狼などの襲撃から守るために使用され、繁殖に際しては防衛能力と、群れに対する意識の高 さが重要視された。
  その結果主な特性としては、力強く敏速であり、又穏やかで護衛するものに対する意識が高い事が挙げられる。こ  の番犬は独立心が高く率先して行動する傾向があり、主人に対して幾分かの自己の判断を要求する。
骨量がありすぎる
骨量が無さ過ぎる
体長とは胸骨端から坐骨端までの長さであり、
体長のほうが体高よりやや長いのが理想的です
(10対9)
r
理想的なオス
理想的なメス
ピレニーズは、被毛の状態により、実際よりも大きく感じたり、小さく感じたりする事があります。又、豊かな被毛により
実際の重さよりも重いように錯覚をしてしまうことがよくあります。
サイズを知るには、実際に手で骨格に触れることが大切です。
スタンダードには決められた体重制限はありませんが、体高や体長につりあった、バランスの取れたもので無ければなりません。昔、羊の群れを守って野山を駆け回り、外敵と戦ったワーキングドッグであるというルーツから考えると、それが出来るだけの正しい骨格構成が不可欠です。



頭部(ヘッド)
 サイズに対して大きすぎず、頭部の両側は幾分平らである。
 ●スカル
   スカルの最大幅はその長さに等しい。スカルは僅かに丸みを帯びている。後頭部の突起は明確で後部スカルは
   卵型である。眉弓は目立たず額溝はかろうじて認められる。

 


●ストップ
    緩やかである。





各部の理想的な比率
理想的なスカル
欠点とみなされるスカル
  クラウンが大きすぎる
欠点とみなされるスカル
     ストップが目立ちすぎていて
     マズルの長さが短かすぎる
グレートピレニーズ
クーバス
ニューファンドランド
セントバーナード
※顔部

 ●鼻(ノーズ)  真っ黒である

 ●マズル     スカルより僅かに短く、幅広く、先端に向かって徐々に狭くなる。上望すると先端を切り落とした
            X字型をしている。眼下のふくらみは充実している。
(図1−2)

 ●唇(リップス) ごく僅かに垂れている唇は丁度下顎を覆っている。黒く口蓋同様、黒ではっきりと
            特徴付けられる。
正しいリップ

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長すぎて顎に覆いかぶさっている

×
長すぎてしまりが無く、たれ下がっている
 ●顎・歯
   歯列は完全でなければならず、歯は健全で白い。シーザースバイト。切端咬合(レベルバイト)は許容される。



×
×
 ●目  やや小さめでアーモンド形で幾分斜めについている。利口そうで物思いにふけったような表情である。
      色はダーク・アンバーブラウン。まぶたはたるみが無く、めぶちは黒い。
      表情は優しく、夢見るようなまなざしである。

正しい目と表情
まぶたがたるんでいる。
瞬膜が見られる
アーモンド形ではなくて
三角形の目
 ●耳  目と同じ高さに付き、やや小さい。三角形で先端は丸みがある。頭部に沿って平らに垂れており、
      警戒時には僅かに高く保持する。
この記事は
JKC発行『全犬種標準書第10版』
GPCAのスタンダードブックのイラストと資料を基に管理者の解説をいれて作成したものです。
 どなた様に限らず、無断でこの記事の転載はお断りいたします。
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私が一番驚いたのがこのストップです。
 スタンダードのイラストを見てよくないストップの見本とされるイラスト(下の右)は、まさに私の好みだったからです。 私はインペリアルの犬に出会うまで、それがスタンダードだと信じて疑うことはありませんでした。
 カレンさんのお話だと、『ストップはけっして目立ってはならない。マズルからスカルに至る曲線は滑らかで緩やかな線が理想的であり、目に際立った接点を持つべきではない。他犬種のそれとは区別されるべきである』と、いうことでした。
私は、大きな衝撃を感じたのでした。
図1
※ネック  力強く中庸で、僅かにデューラップがある。

※ボディー 
    体長は体高より僅かに長い(図2)胸底から地面までの長さは、体高の約2分の1であるが、
    決して半分以下にはならない。(図3)

 ●背腰部(トップライン)  しっかりと保持される。背線は水平である。


 
●キ甲(ウィザーズ)   幅広い
 ●背(バック)   十分な長さがあり、がっしりしている。
 ●腰(ロイン)   程よい長さである
 ●尻(クループ)  僅かに傾斜しており寛骨はやや張っている。
 ●ひばら(フランク)  中庸で巻上げっても、垂れ下がってもいない。
 ●胸(チェスト)  幅広く深いが、深すぎない。胸底は肘まで下がるが、それより下には下がらない。
             胸底は体高の2分の1か、またはそれよりやや浅い(図3)

※尾(テイル) 
  垂れて、少なくとも飛節に達する。被毛が密生し、プルーム(はね飾り状の毛)を形成する。
  休息時には低く保持し、先端はフックを形成するのが好ましい。警戒時には輪状に背上に
  巻き上げ、先端は腰に接する。






※四肢  

 ●前肢   角度は良好で強健である。
 ●肩    適度に傾斜している。

 ●上腕   筋肉質で適度に長い。   
 ●前腕   真っ直ぐで、力強く、豊富な飾り毛がある。
 ●手根   前腕から真っ直ぐに続く。
 ●中手   やや傾斜している。
 ●前足   あまり長くなく、コンパクトで指はややアーチしている。



   正しい前望


                  
     欠点とみなされる前望
 
   
図2
図3
決して半分以下
 にはならない
   動きのある時の正しい尾
 
尾は巻き上げ、アーチを描いている  
    
    尾は下方に位置する
          
静止時は下方に垂れている
胸が狭すぎる
肘が外を向き
O脚になっている
胸が広すぎる
どちらの形も正しい
●狼爪 
  両後肢には、それそれ2本のしっかりとした
  狼爪がある。
両前肢には時々1本または2本の狼爪が見られる。
※後 肢
  後肢にみられるフェザリング(飾り毛)は前肢に比べてより長く、厚い、後望すると両後肢は真っ直ぐである。